焼杉(やきすぎ)は、日本の伝統的な外壁材で、防腐性・耐久性が高く、風合いが魅力の素材です。セルフリノベーションや宿泊施設の外壁に使うと、和モダンな雰囲気が演出できます。本記事では、焼杉の外壁の貼り方を詳しく解説します。
1. 焼杉とは?
焼杉とは、杉板の表面を焼いて炭化させ、防虫・防腐性を向上させた外壁材です。
伝統的な日本建築や最近のデザイン住宅でも多く採用されています。
焼杉のメリット
- 耐久性が高い(炭化層が防腐・防虫・防水効果を発揮)
- メンテナンスが少なくて済む(塗装不要のタイプもある)
- デザイン性がある(焼き加減で色や質感が異なる)
焼杉のデメリット
- 初期費用がかかる(普通の杉板より加工費が高め)
- 割れやすい(焼くことで硬くなるため釘打ちに注意が必要)
- 炭が手につくことがある(施工時に手袋必須)
2. 焼杉の外壁の施工手順
準備するもの
材料
- 焼杉板(厚さ10~15mm、幅100~150mm程度が一般的)
- 下地材(胴縁:樹種は杉や桧が推奨)
- ステンレス製のビスまたは釘
道具
- インパクトドライバー(電動ドライバー)
- ノコギリまたは丸ノコ
- 差し金(さしがね)・水平器
- 防塵手袋・マスク(炭の粉がつくため)
3. 施工の流れ
① 下地を作る(胴縁の取り付け)
焼杉板は直接壁に貼らず、胴縁(どうぶち)を使って通気層を確保するのが基本です。
- 胴縁の間隔:300~450mmピッチ
- 材質:防腐処理済みの杉or桧がおすすめ
- 縦張りの場合→胴縁は横方向に配置
- 横張りの場合→胴縁は縦方向に配置
※通気層をしっかり作ることで、湿気を逃がし、耐久性を向上させます。
通気胴縁という空気を流すための穴が開いてる商品もあるよ!
② 焼杉板をカットする
- 長さは現場で調整(丸ノコやノコギリでカット)
- カット後は切断面を保護(木口用の防腐塗料を塗ると良い)
窓周りは木の収縮に備えてコーキングを打つので5㎜~7㎜は隙間を開けよう
③ 焼杉板を貼る(施工方法)
【縦張り】
- 最初の1枚をしっかり固定
- 板同士を密着させて固定
- ビスや釘は見えないように隠し釘またはフィニッシュネイルを使用すると美しい仕上がりに

煤を浴びないのでビスがおススメ!
- 端部やコーナー部分を調整
【横張り】
- 下から順に貼る
- 板を重ねながら固定
- 1枚ずつ重ねて張る(重ね幅10~15mm)
- ビスや釘は見えにくい位置に打つ
- 最上部の仕上げ
- 軒天との取り合いを調整し、端部を見切り材で仕上げるときれい
④ 仕上げ・メンテナンス
- 炭の粉が手につかないように、施工後にウエスで軽く拭く
- 炭が取れてしまった部分は焼き直しor塗装
- メンテナンスは基本不要だが、劣化が気になったらクリア塗装や焼き直しでリフレッシュ
3. 焼杉の外壁をきれいに仕上げるコツ
- 張る前に板を仮並べして色味を確認(焼きムラを均等にするため)
- 釘やビスは黒色のものを使うと目立たない
- 角の仕上げは見切り材やL字金具を活用
4. 施工の際に気をつけるポイント
- 火気に注意(炭がついているので施工中の火花や火気厳禁)
- 施工中の汚れ対策(軍手・マスク・作業着を着用)
- 下地の通気を確保(胴縁の間隔と通気層を守る)
5. 焼杉の外壁に合うデザインアイデア
- 和モダンな宿泊施設や店舗の外装
- 金属やガラスと組み合わせるとスタイリッシュな印象
- 自然素材と相性が良く、植栽との組み合わせも◎
6. まとめ
焼杉の外壁は、適切な施工を行えば耐久性が高く、メンテナンスも少なくて済むのが魅力です。
施工のポイントは以下の通り:
✔ 胴縁を使って通気層を確保する
✔ 縦張り・横張りで施工方法を変える
✔ 釘やビスを目立たせない工夫をする
セルフリノベーションでも十分施工可能なので、ぜひ挑戦してみてください!
ABOUT ME
長野在住の大工です。
古民家を生かす選択を。
職人が減っていくこれから、DIY人口を増やしていきたい!